モヤ学ブログ

SEIYUの店内BGM、モヤさまBGMのセンスや何気なく聞き流す身の回りのBGMを中心に生活と音楽に切り込みます。ブログタイトルは「モヤさまに学ぶBGMの選曲センス」から。コメントとかSNSでシェアしてもらえると中の人のモチベーションが向上します。

再生数約1億回超の人気曲、YOASOBI『夜に駆ける』を今さら聴いたら売れ要素が渋滞していた話

モヤさまのダジャレBGM調べに必死になるようなこのブログ。たまには普通の音楽についても。

 

まずは今回のテーマのYOASOBI『夜に駆ける』、

存在は知っていたけど「あぁ、どこかのアニソンかボカロPの流行ってる曲ね」と食わずキライなまま日々を過ごしていたけど、何気なくYoutubeを流し聴きしている時にこの曲↓が流れて曲の頭を聴いた瞬間二度見。聴いてなくてゴメンなさい…


まずはその曲(動画)を。
あ、でもこれを読んでもらえたらたぶん後で聞き返すはずので聴き飛ばしてもOK。

…っ!

ます、この曲を聴いて衝撃。

ボーカルのikura(幾田りら)の圧倒的な表現力は言うまでもなく売れ要素だけど…演奏全体の構成に

 

最初の0秒から最後の1秒まで売れ要素が渋滞してる。

 

「売れ要素」は聴く人を惹きつけるという意味の褒め言葉。

 

ずーっと

「そうきたか!?」、「えっそんなの!?」、「あ〜やっぱそれか〜!」と心の中で叫びながら聴いてました。

 

紹介が長くなりそうなので目次。

※曲の演奏のみに注目するので、元の小説がどうとか、歌詞の内容とか、マーケティングとか、PVの映像とかには基本触れません。もう他のブログで書いてあったので。

 YOASOBIとは

どんなアーティストかはウィキペディアの引用を。

「夜に駆ける」(よるにかける)は、日本の音楽ユニットYOASOBIの楽曲。1作目の配信限定シングルとして2019年12月15日にリリースされた。


小説を音楽にするユニット「YOASOBI」として初の作品。小説投稿サイト「monogatary.com」に投稿された星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を原作として作詞・作曲された。

チャート成績
2019年11月16日に同曲のミュージックビデオをAyaseのYouTubeチャンネルにて公開し、公開から約7ヶ月でYouTubeでの再生回数は2000万回を突破[11]。SNS上で話題となったほか、同曲がSpotifyのバイラルトップ50(日本、2020年1月)やLINE MUSICの月間ランキング(2020年4月)で1位となり、YOASOBIの代表曲となった。

2020年5月15日にはTHE HOME TAKEにikuraが出演し、同曲のオリジナルアレンジを一発撮りパフォーマンスした。その後、5月18日~5月24日に集計された2020年6月1日付のオリコン週間合算シングルランキング、Billboard JAPAN Hot 100共に1位を獲得。この集計期間には地上波テレビ番組などへのメディア露出があり、ミュージックビデオの再生回数やストリーミング再生数が急伸した。(Wikipediaより)

 

売れ要素その1「ブレスがイントロ&サビスタート」で聴いた人の心を0秒で鷲掴み

これいきなりサビから始まる…ではなく、

イントロがブレス(吸い込む息の音)。「0秒から聞き応えあり」という理由はこれ。

緊張感がありつつ一気にその曲の世界に入り込む感じがたまらない。

夜に駆ける

夜に駆ける

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

スピッツの『スターゲイザー』とか東京事変の『群青日和』とか平原綾香の『Jupiter』とかもブレスイントロ。

あと、iTunesってその曲の一番イイところを試聴させるのが多いけど、『夜に駆ける』はそれが曲頭からなのも納得。

サビスタートといってもサビ頭ではなくサビ中〜後半部分にしているのが憎い

 

売れ要素その2「音の重なり=盛り上がり度」でシンプルにわかりやすい

最初の4小節はピアノ伴奏のみ

→次の4小節で4つ打ちバスドラ&ギターバッキング

→次にベース投入〜

という感じで曲全体を通して抑揚と楽器音の重なりがシンクロ。もちろん他のJPOP

でもやっているけど、生身のバンドではできないような演奏が可能ななのも打ち込みならでは。

抑揚の展開が聴いて分かりやすく、飽きが来ません。

 

 

売れ要素その3「卑怯ドラム」で疾走感ダンスビート

卑怯ドラムとは

「表で4つバスドラムを踏み、8分音符の裏でハイハットを叩き、4分の3拍目でスネアを叩く」…

言葉で説明しても分かりづらいので音でいうと

ドンツータンツードンツータンツー」

『夜に駆ける』でいうと0:17~がそれ。


[参考動画]



今や4つ打ちドラムの定番も、哀愁ある曲とこの疾走感あるダンスビートの組み合わせが癖になる。

ちなみに初めて卑怯ドラムについて書いたのはもう5年以上前

nanaironokakehashi.hateblo.jp

あと、2拍4拍でスネアが入っていると手拍子しやすい。たまに1拍3拍で手拍子やる人いるけど

 

売れ要素その4「ヨナ抜き音階」で漂う哀愁の虜

ヨナ抜き音階とは…。ドレミファソラシドが基本の音階とするとファとシを抜く音階。日本固有の音階で演歌とかでは定番の音階。

J-POPではユーミンの『春よ、来い』のサビなんかはもろヨナ抜き。

春よ、来い

春よ、来い

  • 松任谷由実
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

他にはいきものがかり「SAKURA」とかPerfume「レーザービーム」、米津玄師もこのヨナ抜きを頻繁に使っている。

 

この音階を全部にではなく、所々要所で使う事で哀愁や季節の情感といったものを表現しやすくなっている。

歌詞をじっくり見なくても曲から滲み出る哀愁はヨナ抜きの要素が大きいかも。

 

売れ要素その5「丸の内サディスティック進行」でエモ感&オシャレ度アップ

「Just The Two Of Us進行」とも言う。

Aメロ(0:31~)がJAZZオシャレ進行のスタンダードなコード進行になっていて

曲への感情が入りやすい仕掛け。

 

丸ノ内サディスティック

丸ノ内サディスティック

  • 椎名林檎
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

A♭→G7→Cm7→E♭7(Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅰ7)

じゃあ、ずっとこのオシャレ進行なのかというとそうではなく、

0:39~はA♭→B♭→Gm7→Cm7というJ-POP頻出の王道進行という組み合わせでオシャレに寄りすぎないような工夫もしてあるのが憎い。

王道進行はスピッツ『ロビンソン』、Mr.Children『HANABI』、サザンオールスターズ『いとしのエリー』など無数の名曲で採用されています。

 

 

売れ要素その6「無音で演奏」で引きつけ度アップ

決まるとカッコイイ サビ前に演奏を一旦止めるブレイク。

この曲では1:16~と3:10~の2回。これはJ-POP定番の売れ要素

 

売れ要素その7「サビ1回減らし進行」でサビへの飢えを演出

この曲の進行は

サビ→イントロ

→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏

→Aメロ→B’メロ→間奏

→Cメロ→Bメロ→サビ→ラスサビ→アウトロ

となっていて、

注目すべきは2:13~のB’メロ→間奏→Cメロ〜の部分。ここから最後のアウトロまで畳み掛けてくる感じの流れが最高すぎる。

普通はBメロ→サビ→間奏と入れてくるところにサビをあえて使わず、

あれ、「騒がしい〜♪」って来ないな…という、間奏→Cメロで「サビおあずけ」感を出して最後のサビ→大サビへの引きつけを超強力にしている効果。これは最後まで聴かずにはいられなくなる。

 

あとちゃんとCメロもあって嬉しい。

ミスチルに学ぶCメロのセンス① - モヤ学ブログ

 

売れ要素その8「下げ転調からの上げ転調」でラスサビのテンションMAX

 

転調はまあJ-POPではベタな手法だけど、この曲は

サビ(半音下げ)→ラスサビ(1音半上げ)

 

という荒技。

サビ1回減らしで飢えているところに、静か目のサビでしかも半音下げ。

ここから元のキーに戻すのではなく、1音半上げ(元のキーから1音上げ)。

「そうきたか」と。これはやられました。

 

 

売れ要素その9「オクターブ奏法&変態フレーズ」でマニア受け必至のベース

卑怯ドラムと相性の良いベースのオクターブ奏法。
ただ、一番落ち着いてるはずの1コーラス目Aメロでベースだけがブリブリ荒ぶってるのが衝撃的。

[参考動画]

いや、こんなの弾けるか!

オクターブ奏法といえば「高嶺の花子さん」もそう。

高嶺の花子さん

高嶺の花子さん

  • back number
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

売れ要素10「みんな大好きカッティング」でマネしたくなるギタープレイ

個人的な趣味もあるけどカッコイイカッティングは正義。ウラ拍で音出して表ではあえて音出さないところイイ。

 

↓これは原曲とは違うけど、演奏者のレベルでいろんなアレンジができるのも魅力。

[参考動画]

 

売れ要素その11「演奏したくなるシンプルさと難易度」で聴く以外でも楽しめる

この曲は基本打ち込みで構成された楽曲でも、中田ヤスタカが作るザ・打ち込み電子音楽ではなく、ピアノやギター、ドラム、ベースで構成されているのでアレンジ次第で演奏者のレベルに合わせて再現が可能な設計の曲になっていることがポイント。

しかもJ-POPにありがちなストリングスやホーンは使っていなく、進行も非常にシンプル。

なのでYouTubeとかのSNSで「弾いてみた」系の動画で腕自慢の人たちがいろんなアレンジで演奏するのでそれに比例して耳にする機会も増える。同じ曲でもアレンジが違えば別の曲のように楽しめるというのがヒットの要因か。

ピアノ1人でもアコギ弾き語りでも、バンドでもどんな形態の演奏にでもきっとハマる。

ただバンドだとこれ、かなり練習しないと「食い」のタイミングが合わなくてグダグダになりそう…。

 

以上、曲の構成と演奏に注目した売れポイント11点。

もっと聴いたらもっと出てくるかも…。

 

それにしてもすごい再生回数だ…。

今後の曲にも注目です。

 

本日は以上です。

 

※『THE HOME TAKE』バージョンもおすすめ